大人からピアノを始める方へ私の経験からのアドバイス第五回
ピアノ演奏の三段階のレベルについて
前回の4回までピアノを始める前にイメージしておくべきピアノの3つの演奏ジャンルについて説明してきました。今回からはあなたが目指すピアノ演奏ジャンルをイメージした後で更にどの程度まで演奏レベルを目指すのかをあなたのピアノを聴く対象を元に三段階にレベル分けをしましたので目標とする演奏ジャンルを決めたらこれから解説する3つのレベルのうちどれを目指すかイメージしてみて適切な行動を開始してみてはいかがでしょうか。
ピアノ演奏レベルを判定する基準は機械的なミスタッチ数の少なさや曲のテンポ(速さが適切か)など絶対に基準となる指標はあるとは思いますがあなたのピアノ演奏のレベルが高いのか低いのかを判断する場合は聴手(ご自身も含む)の音楽レベルや演奏者との関係性によって著しく判断が異なってしまいます。例えば聴衆があなたと関係が深い家族や恋人、友人なら演奏に多少のミスやたどたどしさがあってもあなたの人柄や過去の努力を鑑みて大きくねぎらってくれるでしょう。
一方あなたを全く知らない聴衆に演奏を聴いてもらう場合は純粋に演奏の出来の良し悪しで演奏レベルを判断されます。いうまでもなく聴衆はあなたの経歴や努力など基本的に知らないので演奏自体で判断するしかないからです。音楽を披露する場面としては一番厳しい場面といえるでしょう。
またあなたの演奏を誰にも聴いてもらう必要がない、ただ自分がピアノを弾く行為自体が好きで楽しいというケースもあるでしょう。(私はこのタイプの演奏レベルを目指しています)
このように同じ演奏でも聴衆と演奏者のあなたとの関係性によって著しく聴衆からのリアクションは違ってしまいます。同時にあなたのモチベーションや必要となる練習量なども誰を聴手に設定するのかで大きく必要となる事が違うのです。
上記のように私は大人から始めるピアノで目指すレベルをあなたが演奏を披露したい聴衆によって分類した3つのカテゴリーに分けてみました。この3つのカテゴリーのうち今回は一番レベルの高いレベルの「家族でも友人でもない公衆の面前で演奏できるレベル」について書いていきたいと思います。
家族でも友人でもない公衆の面前で演奏できるレベル(ピアノバーとか発表会含みます)
私はもちろん公衆の面前で私のつたない演奏を披露したことはありません。正直そんな場面を想像しただけで緊張で震えるぐらいです(笑)。いうまでもなくピアノ演奏に限らず公衆の聴衆にパフォーマンスを披露するには極めて高いレベルの演奏技術と強いメンタルが必要になります。おそらく大人からピアノを始めたいと考えている方でこのレベルを目指す方はごく限られた人しかいないのではないでしょうか。
もちろん大人からでもこのような高いレベルの演奏技術を目指すことを否定するものではありません。またいつかこのぐらいのレベルまで上手くなりたいという目標を持つことも決して悪いことではないと思います。実際このような場面をくぐり抜けないとレベルはあがらないぞとしたり顔でいってくる人もいたりするでしょう。
私自身の考えとしては大人からピアノを始める方が最初からこのレベルを目指す事はあまり賛成できません。しかしながら参考までに以下にこのような高い演奏レベルを目指す場合に必要だと思われる事を明記したいと思いますので参考にして下さい。
夜中でも練習できる電子ピアノもしくは防音室
いうまでもありませんが公衆の面前で演奏を披露する場合ある程度誰が聴いても納得できるぐらいの基本的な演奏技術が求められます。また忙しい大人が練習する時間は夜間など限りがあります。ですのでヘッドフォン装着した電子ピアノ(なるべく生ピアノタッチに近い方が良い)もしくは防音室などを活用して日々練習していく事が必要になります。
かなりの反復練習や厳しい批評にくじけない強いメンタル
正直楽しみの趣味で始めようとするピアノなので本来上記のような事はあまり必要ないのですが公衆の面前で演奏を披露する場合どうしてもこの強いメンタルが求められる事は致したか無い事です。あなたとの事を良く知らない聴衆はまったく悪意がなくあなたの心を傷つける言葉をなげる事も多々あります。また演奏披露にさいしてどうしても単純な練習を続ける必要がありそれを一貫して続けるだけの強い心が必要になります。
家族や仕事先等からの理解
継続的な毎日の練習が必要となるにつれどうしても家族との時間が少なくなってしまう事はあらかじめ理解してもらう必要があります。
現在も現役ばりばりのピアニストが先生の教室に通える
公衆の面前で演奏する際にはかなり上級レベルの演奏技術が必要になりますがなにより演奏披露する前の段階で心理面でのアドバイスやサポートがあなたには必要となります。その場合今も現役でコンサート演奏活動している先生からのアドバイスはなによりの力になります。また完全に独学でこの一番高いレベルを目指すことは無理ではないでしょうがかなりの努力と多くの困難からご自身だけで何度も挫折から立ち上がる必要があるでしょう。
またピアノバーやジャズセッションなどで演奏したいと考えている方はなおさら普段からそのような場で演奏している先生から多くのアドバイスと段階をえながら序々に公衆の面前での演奏機会のセッティングをもらう必要があります。
ピアノ練習にさける時間的金銭的な余裕
例えば普段電子ピアノで練習している方は演奏本番前に貸しスタジオなどの生ピアノを借りて練習する必要もあるでしょう。また本番前にはより多くの練習が必要になります。大人にとって一番貴重で得難い時間をピアノ練習にどれだけ割けるかが一番肝心な事でしょう。
大人から始めるピアノで目指す一番高いレベルに達するために必要な事を書いてきました。次回は気心知れた家族や友人の面前で演奏できるレベルについて書いていきたいと思います。
「魔法はいまここに在る!」いまここで練習していつの日かできるようにお互いがんばりましょう!
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。