大人からピアノを始める方へ私の経験からのアドバイス第三回

ピアノ演奏の大まかな三つのジャンルについて(ジャズorポピュラーピアノ編)

前回の第二回から引き続きピアノを学び始める前に弾けるようになりたい演奏ジャンルについて説明させて頂きます。今回はジャズもしくはポピュラーピアノ編になります。

ジャズorポピュラーピアノ(楽譜どおり弾くか耳コピで弾くか)について

大抵の大人の方はジャズもしくはアニソンや洋邦ポップスなどをピアノで演奏したくてピアノを学びたいのではないでしょうか。私も一番最初の入り口はピアノ弾き語りがきっかけでしたが現在細々と独学練習しているジャンルはポピュラーピアノです。今日現在独学ですが過去に個人教室と大手教室のジャズ及びポピュラーピアノ教室で教えてもらっていました。多少紆余曲折もありましたがジャズピアノ教室で教えてもらった経験はクラッシックピアノ教室では得られなかった良い事を教わりました。

それはなんといってもコード耳コピの大まかな手法を学べた事が大きいです。これまでの私は音楽の耳コピは幼いころから音楽を学んできた絶対音感所持者ではないと素人には全く無理な事と考えていましたがその先生は(絶対音感所持者ではないし幼児音楽教育も受けていない方)苦も無く的確にコードを耳コピ(採譜)するところを見せてくれました。今思えば当たり前の事なんですがこの経験はピアノと音楽に関して学んでいくモチベーションが大幅に上がりました。よく言われているように自身が歌えるメロディーは耳コピは誰でもできるんですね。

さてジャズorポピュラーピアノの演奏形態なんですがクラッシックとは違い基本的にはコード(和音)が記載された一段譜の楽譜をもとに演奏を行います。よくリードシートとかCメロ譜とか呼ばれる楽譜です。これをどうやって実際に演奏するかは演奏者に委ねられておりそれこそ右手だけでメロディーを弾く事も立派なポピュラーピアノの演奏です。またリードシートに明記されるコードのみを演奏する事で歌の伴奏とかバンド演奏とかも演奏レベル関係なく充分にポピュラーピアノ演奏の範疇に入るでしょう。

ジャズピアノはごくごく一般的にいえばリードシートに記載されるコードをもとにして演奏者それぞれに違うアドリブ(即興)でピアノを演奏していく形式です。ですので仮に全くの初心者が単音を適宜鳴らすだけでもジャズピアノだとご本人が主張されれば立派なジャズピアノ演奏に該当します。このようにジャズorポピュラーピアノはレベルに応じて演奏できる柔軟性がある事と楽譜どおり厳密に演奏する必要がなくむしろ違う事の方がより求められる事が特徴です。

上記のように演奏スタイルに柔軟性があるのでジャズorポピュラーピアノ練習に必要なピアノやキーボード機材などは練習を始めるにあたってそんなに高価なものは必要ありません。子供のおもちゃのようなピアノでもメロディーとベース音を弾く練習は可能ですし、鍵盤数が88鍵より少ない安価な32鍵キーボードでも初歩の練習には十分に使えます

ただジャズorポピュラーピアノ演奏でもクラッシック曲のように二段譜の楽譜も販売されています。これは俗に言われるコピー譜と呼ばれる楽譜で有名なジャズピアニストのアドリブ演奏をだれかが耳コピして採譜したものになります。このようなコピー譜の場合は基本的にはジャズorポピュラーピアノであっても楽譜の通り演奏する事が求められます。他には主に中上級者が自分の演奏の参考にしたり分析したりする用途もあります。

皆さんの中で友人もしくは知人、または個人配信動画や生放送などで楽譜を見ないで耳コピした曲を楽々演奏している人を知っているかもしれませんがこれももちろんジャズorポピュラーピアノのジャンルに入ります。楽譜が全く読めないが耳コピした曲を立派に演奏できる能力を先天的に備えている人も確かに存在します。とても羨ましいですね(笑)。ただしこのような楽譜が読めないけど耳コピできる人は誰かとセッションをしたり演奏について他の演奏者とコミニケーションに苦労するケースが多いかもしれません。

ただし先天的に耳コピ能力を備えてない大人でも前述のように耳コピで演奏する能力は努力によって後天的に身に着ける事が可能です。ですので自分には才能も無い、大人からじゃ遅すぎるなどと考える事は全くないと思います。

ポピュラーピアノ演奏スタイルは基本的に左手はベース担当、右手はメロディー担当

ジャズピアノ演奏方式はジャズゆえに様々な方法が存在します。ですので以下説明はポピュラーピアノ演奏のみ当てはめて説明したいと思います。仮にもっとも簡単にシンプルなポピュラーピアノ演奏形式を挙げろと問われたなら左右どちらでもいいので小節ごとに明記されているコードの根音(Cであればド、Bmであればソ)だけを指一本で弾く形式はどうでしょう。これでも立派にポピュラーピアノだと思います。

それが問題なくできるようになったら今度はリズムを刻んで弾いていく(4拍子なら1小節に4回鳴らす)とより満足できる演奏になると思います。それができるようになったら今度は左の指でリズムを刻んでいく演奏を練習する。これができるようになったら今度は右手で楽譜のメロディーを弾いていく練習をしてみる。これができたら遂に左の指と右手メロディーを合わせて弾いてみる。

上記のような演奏スタイルが初級レベルのポピュラー演奏形式の一例です。もちろん最後の左のリズム刻みと右手メロディーを合わせた演奏は結構難しいかもしれません。事実偉そうにこんな事を書いている私も上記の左手リズム刻みで右手メロディー演奏は左手が右手につられたりとほとんどできなくて鋭意練習中です(笑)。

ポピュラーピアノ演奏の土台はこのスタイルであとは上達するにしたがって左手のリズム刻みを工夫したり音を足したりしていくとよりカッコいい演奏にしていけると思います。

独学にするか習いに行くべきか

最初からジャズやポピュラー系ピアノ教室に入会する事ももちろん可能だと思いますがなかなか自分とあった先生を探すのは難しいかもしれません。演奏技術や音楽知識が浅い段階では先生の至らないところや自身が分からない事を先生に説明する手段自体が分からないからです。

理想を言えば比較的安価な(無駄になっても比較的後悔しない金額の)キーボードなどを入手してからネット上のピアノの弾き方などの情報を参照しつつメロディーを耳コピしてみたり童謡などの簡単な楽譜を弾く事にチャレンジしてから教室に通うか検討した方がリスクが少ないと思います。コード理論や楽譜の読み方についての情報は現在ではネット上に多々ありますし自分にあう教則本を立ち読みでもしながら探すという事も一つの手です。

ジャズorポピュラーピアノ演奏に必要な事要旨

  • コード(和音記号)が並記された一段譜楽譜をもとに状況に応じて演奏していく技術
  • 演奏者の技術レベルに応じて音を省くなど楽譜と違う演奏も可能でむしろ推奨される即興力
  • 鍵盤数が少ない安価なキーボードなど(ピアノ以外の楽器でも初期練習には十分)
  • 基本的に左手はベースを受け持ち右手はメロディー(主旋律)を演奏する技術

今回はジャズorポピュラーピアノジャンルについてと習得について必要な事柄を私なりに説明させて頂きました。次回はピアノ弾き語りジャンルについて書きたいと思います。

「魔法はいまここに在る!」いまここで練習していつの日かできるようにお互いがんばりましょう!

ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

 

 

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